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流れにさからった経営

 好景気だからと設備投資を計画して、設備が整った頃には不況がやってきて、稼働率が低くなり返済負担が大きく経営が苦しくなる、ということはありがちな問題です。また、閑散期に販売促進を計画したのはよいが、顧客の獲得に時間がかかり、結局閑散期の助けとはならなかったということもよく起こります。

 設備投資については、不況時にも積極的に投資する会社があります。そのような会社は、景気の回復を見込んで、いわば逆張りの戦略をとっています。不況時には設備の導入費用も安く済みますので、うまくいけば効率のよい投資となることでしょう。景気には必ず波が訪れますので、その波をよく見極めて投資のタイミングを計る必要があります。不況時には設備投資の意欲は減退するのが普通ですが、そういった経営者自身の心理とも戦う必要があります。

 また、お客さんが減って手空きになってから、急に集客を頑張り出す会社もありますが、不況になってからでは遅いのです。集客は忙しいときにこそ考えて実行するべきです。忙しいときは目の前の注文をこなすのに手一杯でそれどころではないとお考えかもしれませんが、そこが頑張りどころだと心得ることが必要です。これも逆張りの戦略といえるでしょう。

 このように、常に先を考えて行動することが大切です。経営者は現在の情勢や心理などに惑わされないよう、理性的な対応をすることが求められます。