· 

社長の必須業務

 「社長という立場は、何を自分でするか、何を委託したり外注するかについて最適な判断を下す必要があります。コア業務は自分で行い、他の人でもできる仕事は外注して自分の時間を確保することが必要です。

 

 ところが、決して人任せにしてはならない業務が2つあります。これらの業務は、企業規模や成熟度にかかわらず、社長自身が積極的に取り組むべきです。

 

1. マーケティングのリーダーシップ

 

 マーケティングは企業の成長に不可欠な要素です。顧客の創造、維持、拡大など、これらの活動は社長のリーダーシップのもとで行われるべきです。小規模企業であれば、社長が直接関与することは当然ですが、企業が成長し、マーケティング部門ができたとしても、社長としてはそれらの責任を切り離すのではなく、戦略的な方向性を示し、活動をモニタリングしてコントロールすることが必要です。

 

社長がマーケティングに関与することで、ビジョンを共有し、企業のブランドを強化し、新たな市場チャンスを見つけることができます。また、市場の変化に柔軟に対応するための調整も行えます。社長自身が顧客との関係を築くことで、信頼性と結束力を高め、企業の成功に寄与します。

 

2. 決済の管理と財務の把握

 

 個々の請求書について、支払ってよいか、どのような請求があってどのようにお金が出ていく予定なのかをチェックすることは、経営の基盤を築く上で重要です。これは小規模企業に限ったことではありません。自分の事業でどのようなことが起こっているかを知るためにも、財務の把握は不可欠です。

 

 社長は財務の健全性を確保し、資金の適切な配分を管理する責任があります。支出の管理、収益の追跡、税務申告の確実性を確保するために、決済と財務に対する積極的な関与が求められます。また、経済的なリスクを最小限に抑え、事業の持続可能性を確保するために、社長は経済状況や業界の動向を常に把握する必要があります。

 

 他にも社長が切り離せない固有の仕事はあるかもしれませんが、上記2つの業務は特に重要です。それ以外の業務で切り離せる部分は、委託や外注を活用して、効果的にリソースを割り当てることが重要です。社長自身が重要な役割を果たし、組織全体に影響を与えることで、企業の成功と持続的な成長を確保します。」