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価格競争を避けるには

 商品を販売してしばらくたつと、競合他社が同じような製品、同じような売り方で対抗してくることがあります。次第に価格競争に陥り、利益が取れなくなっていきます。商品がコモディティー化すると言います。そのような事態は避けたいものです。

 

 ただ、商品を購入する際に価格を判断基準とする人は全体の10%程度であると言われています。ということは、価格を判断基準としない人に買ってもらえるように工夫をすればよいのです。

 

 価格以外の判断基準で選んでもらうためにはどのようなことをすればよいでしょうか。それには、商品に付加価値を加えたり、独自性を打ち出して差別化することです。また、ブランドを高めることです。会社や商品のイメージを高めることです。

 

 商品に付加価値を加えるとは、例えば、エアコンにお掃除機能をつけて便利さをアピールして売ることなどです。(ただ、最近ではほとんどの会社がお掃除機能付きのエアコンを販売しており、必須機能になってしまいました。)

 

 差別化とは、USP(Unique Selling Proposition、独自のウリ)を打ち出すことです。ドミノピザの例が有名です。「熱々でジューシーな美味しいピザをお宅まで30分以内にお届けします。間に合わなければ、代金は頂きません。」(現在では日本の店舗では配達遅延の場合、割引クーポンを渡しているようです。)

 

 ブランドを高めるとは、中小企業にとっては信用を積み重ねることです。マス・マーケティングでブランドイメージを高めるのはスモールビジネス向きではありませんので、ひとつ一つの取引がブランド構築のステップです。

 

 会社や商品のイメージを高めるとは、上質なパッケージにこだわったり、ホテルのようなワンランク上のサービスを提供することなどです。高品質なパッケージングは、商品を購入する際に重要な要素となり、購買決定に影響を与えます。また、ユーザーエクスペリエンスを向上させることもブランドイメージを高める手段の一つです。お客様に対して親切で効率的なカスタマーサポートを提供したり、独自の特典や付加価値サービスを提供することがブランドを高める一環となります。

 

 他にもさまざま、顧客に対して価格以外の判断基準を提供することは可能です。たとえば、環境への配慮や社会的貢献活動を積極的に行い、それを顧客にアピールすることも一つの方法です。また、商品の品質や信頼性を徹底的に向上させ、それを証明するための認証や評判を積極的に活用することも重要です。

 

 重要なことは、価格競争に陥った血みどろの戦場から一刻も早く抜け出して、適正な利益を取れるビジネスに転換することです。競争の激しい市場では、価格だけでなく他の要因を活用し、独自性を際立たせることが成功の鍵です。価値提供に焦点を当て、顧客にとって魅力的な選択肢となるよう努力しましょう。