· 

価格と品質連想(威光価格)

 みなさんは、価値の分かりにくいものを買う時に、品質を判断するために何を基準にしますか。それは、価格ではないでしょうか。しかし、価格だけが品質を示すわけではありません。高価な商品が必ずしも高品質とは限りませんし、逆に低価格な商品が必ずしも品質が悪いとも限りません。品質の判断には慎重さが必要です。

 

 例えば、貴金属や高級ブランド品などは、その価格が威光価格として働きます。高額な価格によって、一部のステータスを追い求める消費者が引き寄せられることがあります。しかしこれは、価格が高いから必ずしも品質が優れているということではありません。品質を判断する際には、価格だけでなく製品の仕様や素材、信頼性などを検討することが大切です。

 

 時計の例で言えば、ロレックスの時計が1万円で売られていたとしても、それは偽物であり品質が保証されていないことがほぼ確実です。真のロレックスの品質は、その名声に裏打ちされています。高級時計の価格は、高品質の素材と精密な技術によるものであり、富裕層顧客が買い求めるのも納得のいく選択です。

 

 また、高額な講座やセミナーに参加することも、時には投資として価値がある場合があります。しかし、価格が低すぎると内容が薄いと判断されてしまうこともあります。この場合も、価格だけでなく、講師の信頼性やプログラムの内容をよく吟味することが重要です。

 

 また、レストランにおいても同様の事例が見受けられます。高級食材を使っているにもかかわらず、価格が安すぎる場合、それに見合った美味しさを期待できないと感じるかもしれません。良いものには高い値段をつけることで、消費者は満足度を高めることができます。ただし、必ずしも高い値段をつけるだけが正解ではありません。消費者に選択肢を与えるために、プライスレンジ(例えば松竹梅のように異なる価格帯のメニューを設けること)を導入することも一つの方法です。

 

 高級品マーケットを狙って製品を売り出す場合、価格を適切に設定することが成功のカギとなります。価格が低すぎると、高級品のイメージが崩れ、消費者の信頼を失う可能性があります。相応の値段、もしくはやや高い価格を設定することで、品質と価値を示すことができます。