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事業計画とモチベーション

 事業計画を作成することにより、モチベーションを向上させることができます。もちろん事業計画を作成して、その中身を経営幹部だけが知っているだけでは、だめです。事業計画を分かりやすい形にまとめて、全社員に公開するのです。経営計画を携帯できる手帳型の冊子にまとめて配布する、という手法があります。

 

 人間は、何も目標を持たないで仕事をするのと、目標を目指して仕事をするのでは、結果は大きく違ってきます。従業員が、会社の数値計画(予算)を自分のこととして捉えて毎日の業務に従事している企業は強いです。また、全員が会社の経営方針に添って業務を行い、経営目標を達成するように仕事をする組織は底力が違います。どちらの場合も、会社全体の目標を、部門や個人にブレークダウンして、目標設定することが大切です。

 

 会社の目に見えない強みを明らかにし、会社の魅力をアピールするための資料として、知的資産経営報告書なるものが存在します。自分の会社にどのような強みがあるかを改めて知ることにより、従業員は会社への愛着が増し、モチベーションが向上します。その報告書には、通常、企業の将来の目標とそれを達成する手段も書きますが、将来ビジョンを示すことで、さらにモチベーションが向上します。

 

 いずれの書式を取るにしても、会社の数値計画やビジョンを社員と共有して行くことがポイントになります。また、将来の目標を設定するのみではなく、そのために今何をすべきかを明らかにする(逆算する)ことで、目標達成の可能性が高まってきます。

 

 事業計画(経営計画)をオープンにすることは、業績の良い企業でないと難しい側面もあるかもしれませんが、社員の帰属意識が十分であれば、悪い業績もオープンにして、苦境を皆で乗り越えようとすることも可能と思われます。