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経営革新計画の事業計画

 都道府県知事から新事業活動について経営革新計画の承認を受けると、さまざまな支援措置を受けることができる経営革新計画承認制度というものがあります。最近、ものづくり補助金の申請時に経営革新計画の承認を受けていると補助率がアップするために、承認を目指した企業もあると思います。

 

 新事業活動には新規性が必要ですが、新規性は「自社にとって新規」か、それとも「業種・地域で新規」かによって、難しさが異なります。当然、「自社にとって新規」のほうが、難易度は低いですが、都道府県によっては、後者「業種・地域で新規」の計画しか認めないところもあります。そのほか、付加価値額や経常利益の計画値が伸び率の基準を満たしている必要があります。

 

 後日取り上げる経営力向上計画より幾分難易度が高い経営革新計画ですが、取得しておくと、保証協会の信用保証の別枠が設けられたりと、経営に役立つ支援制度が利用可能です。

 

 経営革新は何も、都道府県知事の承認を受けるものだけを言うのではありません。自社で独自に取り組む経営革新の計画も、立派な経営革新計画です。では、経営革新とはどのようなものなのでしょうか。まず、外部の経営環境や内部の経営資源等を勘案して経営のあるべき姿を描きます。そのあるべき姿と現状のギャップを埋める、もしくは現状からあるべき姿にステップアップする取組が経営革新です。経営改善は坂道を登るように日々の業務を少しづつ良くしていくことです。それに対し、経営革新は一気に段差を登ることに例えられます。

 

 

 経営革新で新しいやり方を導入しようとすると、反対勢力が必ず現れます。人間は慣れたやり方に固執し、古い環境に居心地がよいと感じます。経営革新を実行するには、そうした反対勢力のメンタリティーを変えることができるような実行力が求められます。

 

 まずは、自社の現状分析とあるべき姿を描くことが経営革新の第一歩です。IT導入や新製品の開発などは、経営革新を実現するための手段に過ぎません。