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事業計画の目的

 事業計画を作成する目的はさまざまです。今回は、誰に提示するか、何の目的で作成するか、どのように作成し提示するか、の3つの観点から述べたいと思います。

 

 まず、誰に提示するかですが、社外に提示する場合と社内に提示する場合に分けられます。社外に提示する相手先としては、金融機関、株主、出資者などが多いです。社内に提示する相手先としては従業員や、役員会などがあります。

 

 次に、何の目的で作成するかです。金融機関に提出する場合は融資を申請する場合が多いでしょう。条件変更などにともない経営改善計画書を提出する場合もあります。ベンチャーキャピタルや友人知人に出資を募る場合も、創業または新規事業の事業計画を作成し、事業の収益性等を判断できる材料を提示します。株主に今後の経営の見通しを示すためにも事業計画を作成します。社内に提示する場合においては、会社の目標を明確に示すことで経営陣や従業員のモチベーションを高めることも目的となるでしょう。また、会社の進むべき方向性を社内に示し、会社への帰属意識や一体感を高めることも目的となります。

 

 最後に、どのように作成・提示するかです。経営者の頭の中を整理するためにコンサルタント等第三者の助けを借りながら文書に落としていく方法があります。その際、事業計画は経営者の思いを形にするための設計図となります。事業計画作成の過程で従業員にも参加してもらい、会社への参加意識を高める方法もあります。せっかく作成した計画を「絵に描いた餅」に終わらせないためにも、この方法は有効です。作成した事業計画は社内における経営計画発表会や外部機関へのプレゼンテーションなどを行い、事業に対する思いや熱意を示すことができます。

 

 このようにさまざまな目的がある事業計画ですが、共通していることは、経営者の思いを具体化させて、相手を説得したり鼓舞したりする点です。単なる数字や言葉の羅列ではなく、「思い」や「ストーリー」を織り込んでいくことが大切です。