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事業計画の立て方(行動計画)

◆数値計画と行動計画は車の両輪

 数値計画を達成するためには、行動計画が必要です。もちろん、数字の達成だけが企業の目的ではありませんので、数値計画と行動計画は車の両輪と捉えるのがより適切と考えます。

 

◆経営理念はありますか

 企業には経営理念が存在するはずです。明文化されていなくても、経営者の頭の中には何らかの理念があり、それに基いた企業行動を取っています。行動計画の根本に位置するのは、経営理念です。事業計画を立てるにあたり、経営理念が明文化されていない場合は、まず経営理念を作成するとことから始めましょう。

 

◆経営理念の作成方法

 経営理念はビジョン(将来像)、ミッション(使命)、バリュー(価値観)の要素を盛り込みつつ作成するとよいでしょう。これらの3要素を経営理念とは別立てで掲げることもあります。簡単に言えば、自社が理想とする状態はどのような状態であるか、また、その時に社会にどのような貢献ができるか、それを実行するにあたっての心構え(行動基準)を文章にして表せばよいのです。

◆経営理念と経営方針

 

経営理念が明文化されたら、経営理念に基く経営方針を立案します。経営理念と経営方針の違いを図に示しました。経営理念は長期的、概念的であるのに対し、経営方針は短期的(1年~3年スパンが多い)、具体的であることが多いです。短期的な方針であっても、経営理念に紐付いた方針を作成することが大切です。もちろん、数値計画を実現するためにどのように行動するかという視点は欠かせません。また、経営方針は従業員を巻き込んで作成する場合もあります。そうすることでより実行性のある計画を作成することができます。

◆部門別行動計画と個人別行動計画

全社の経営方針にもとづいて、部門別の行動計画を作成します。営業部、製造部、工事部等であれば、数値計画を達成するためにどの顧客にどの様な製品・サービスを提供していくかを、間接部門であれば、ヒト・モノ・カネ・情報が組織内に過不足無く、十分に活用されるように行動計画を作成します。部門の行動計画をさらにブレークダウンして、個人別の行動計画を作成します。

 

◆事業計画(数値計画、行動計画)はあくまでも経営理念を達成するものとして捉えて下さい。経営理念の成就という大きな目的があって、それを実現するために具体化、細分化したものが、部門、個人の行動計画になります。